円錐角膜の治療

円錐角膜とは何か

円錐角膜とは、角膜が菲薄化し円錐状の形状をとる眼の非炎症性変性疾患である。




円錐角膜に罹患するのはおよそ1,000人に1人であり、人種や居住地には依存しない。通常は青年期に診断が下され、20歳もしくは30歳までに最も悪い状態に到達する。

症状:

  • 視力の低下(暗い時間帯、後には十分な明かりの下においても)

  • 光源周囲における光輪の知覚

  • 羞明

  • 眼精疲労

  • 刺激感または掻痒感

  • 角膜の円錐状変形、混濁(疾患の後期)

  • 複視(患者には1枚の絵が何枚も重なった向こう側に見える)

 




円錐角膜の治療

当研究所では下記の円錐角膜治療法を採用している:

  • ハードコンタクトレンズの選択

  • 角膜コラーゲンクロスリンキング

  • 角膜実質片の移植

  • 角膜実質内リングMyoringの移植

  • 層状角膜移植

  • 全層角膜移植

各々の症例において、個々の患者に対し、手術方法選択の根拠を個別に判断する。

当研究所で採用している先進的手法の一つに角膜実質内リングMyoRingの移植という方法がある。




MyoRingは硬いが弾性を備えたポリマー素材製閉リングであり、これを、フェムト秒レーザーまたは特殊なマイクロケラトームを用いて形成した角膜ポケットに移植する。

この方法では角膜を強化することができ、これによって円錐角膜の進行を食い止めると同時に、視力の大幅な改善が可能となる。

この方法のメリット:

  • 迅速

  • 低侵襲

  • 無痛(局所麻酔科で施術)

  • リハビリテーション期間の短さ(数日)